まず技術面としては、3Dプリンタをはじめとするデジタル・ファブリケーション技術が、グローバル・インターネットと結びつくことで、「モノ(物質)」と「データ(情報)」が相互変換可能となり、物流の一部がデータ転送に置き換わる、まったく新しい社会をつくりだそうとしています。作られた「モノ」に回路が埋め込まれインターネットにつながるとすれば、デジタル・ファブリケーションは "Internet of Things(IoT:モノのインターネット)"の生産基盤であるとも考えられます。こうした技術面における課題は、データの標準化、データを精巧につくりあげるための人材育成、データを正しく取り扱うための人材育成、データを安全に流通させるためのセキュリティ技術等です。
国連のSDGs(Sustainable Development Goals)に示されているような地球全体の問題(※全15に集約された課題項目)が、実際には、地域ごとに多様な顕れかたをしている21世紀初頭の現在。この時代は、もう「ただひとつの普遍的で決定的な問題解決法」が世界のどこかにあるわけではない状態、つまり「正解のない時代」ではないでしょうか。